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防災士がつくった、わが家の備え方

「3日分の備蓄」を、
そのまま信じてはいけない

よくある防災リストは「人数 × 日数」だけで決まり、想定しているのは地震だけです。

けれど全国1,892市区町村のうち921(49%)は、火山の降灰まで考える必要がある地域です。灰が積もれば、断水も停電も物流の停止も、地震のときより長く続きます。

※ 降灰の判定は、気象庁の常時観測火山と、富士山火山防災対策協議会の降灰可能性マップにもとづく本サイトの算出です。

イエマモルがしていること

  • 921市区町村 地震だけでは、足りない土地がある 全国1,892市区町村のうち、火山の降灰まで考える必要がある地域の数です。うち696市区町村は、地震のリスクとも重なります。富士山については、協議会が公表したハザードマップの市区町村ごとの想定降灰量をそのまま使い、地図の無い火山は100km以内の距離と偏西風の風下かどうかで判定します。
  • 15の公的データ 数字の出どころが、全部わかる 内閣府の被害想定、防災科学技術研究所の表層地盤データ、気象庁の活火山情報など。結果ページからすべての出典をたどれます。 それらしい平均値ではなく、その市区町村について公表されている値を使います。
  • 72時間 買って終わり、にしない 品目の一覧だけでなく、発災からの動き方まで示します。地域のリスクと家族構成を突き合わせて、いちばん危ういのはどこかをAIが読み解きます。数量と日数そのものは防災士監修の基準による計算なので、ぶれません。

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「3日分」は、最低ラインの数字です

3日というのは、救助と支援が動き出すまでの目安です。国も「最低3日、できれば1週間分」を呼びかけています。ただしこれは物流が保たれている場合の日数です。被害が一つの街にとどまるなら、周りから物が入ってくるので3日で足ります。足りなくなるのは揺れが強いからではなく、買い足せなくなるから。広域が同時に被災したときと、火山灰でインフラが止まったときがそれにあたります。

地域によって推奨される備蓄日数が3日から14日まで変わることを、日数に比例した長さの棒で示した図 全国共通の目安 3日 内陸の地震が想定される地域 7日 海溝型の地震と火山灰が重なる地域 14日 0日 7日 14日
全国共通の3日を出発点に、地域の条件で日数を積み上げます。
出典:首相官邸「災害が起きる前にできること」(飲料水・非常食は3日分、大規模災害時は1週間分が望ましい)

備蓄は「置いておく」より「食べて戻す」

特別な非常食をしまい込むと、期限切れに気づかないまま何年も経ちます。ふだん食べるものを少し多めに買い、古いものから使って、使った分を買い足す。これなら期限の管理がいらず、被災したときも食べ慣れたものが手元に残ります。

多めに買い、古いものから食べ、使った分を買い足す循環を示す図 多めに買う 食べる 買い足す 古いものから使い、使った分を買い足す
診断結果のリストも、この考え方で数量を出しています。
出典:農林水産省 家庭備蓄ポータル(ローリングストック法)
木目調の床に置かれた、備蓄用の水のペットボトル4本
ふだん飲む水を少し多めに。特別な非常食より続けやすく、期限の管理もいりません。
写真:ぱくたそ

地震の情報

同じ地震でも、地盤で揺れは倍近く変わります

表層地盤増幅率という値で、同じ地震でも揺れの大きさが2倍以上変わることがあります。仕組みは地盤増幅率の記事にまとめています。

表層地盤増幅率の見方と調べ方を読む →

足元で起きる地震と、海で起きる地震は別ものです

真下の断層が動く地震は、揺れは激しくても被災する範囲が狭く、 外から支援が入りやすくなります。海溝で起きる地震は、広い範囲が同時に被災します。助け合える隣の街も一緒に被災するため、支援が届くまでが長くなります。

海溝で起きる地震はプレートの境目で広い範囲に揺れが届き、真下で起きる地震は浅く狭い範囲に強く揺れることを比べた断面図 津波 海溝で起きる地震 プレートの境目・ゆれが広く届く 真下で起きる地震 浅い・強いが範囲は狭い 海
同じ震度でも、被災する範囲が広いほど自宅で持ちこたえる日数は伸びます。
出典:内閣府 南海トラフの巨大地震モデル検討会、内閣府 首都直下地震対策

地震のとき、気をつけること

備蓄より先に、家具を固定してください。地震で負傷する原因の多くは、家具の転倒や落下です。水や食料をそろえても、その前に倒れてきた家具でけがをすれば使えません。寝ている場所と、逃げる通り道から手を付けます。

火を出さないこと。地震そのものより、あとの火災で被害が広がります。阪神・淡路大震災では、原因が特定された建物火災の多くが電気に起因していました。避難するときはブレーカーを落としてください。停電から復旧したときに出火することがあります。

出口をふさがないこと。揺れで建物がゆがむと、玄関のドアが開かなくなることがあります。揺れがおさまったら、まず出口を確保してください。廊下や玄関に物を積まないことも、そのための備えです。

火山の情報

火山灰は、距離だけでは決まりません

火山灰は偏西風で東側へ流れ、距離だけでは量が決まりません。3cm・30cmの段階ごとの行動、止まる交通、捨て場所の無さまで、降灰の記事にまとめています。

富士山の降灰と備蓄日数を読む →

なぜ、火山まで見るのか

富士山は有史以降に10回噴火し、最後が1707年の宝永噴火です。そこから318年、噴火の記録がありません。その宝永噴火は、宝永地震の49日後に始まりました。

内閣府の報告書は、宝永噴火を「宝永東海・南海地震によって誘発されたと見られる」としつつ、 「近くで大地震が起きたら即噴火というような単純な関係は必ずしも成り立たない」 とも書いています。噴火するとは限りません。けれど、地震のあとに火山の活動が活発になる可能性は指摘されています。

南海トラフ地震は30年以内に60〜90%程度以上と評価されています(令和7年9月改訂)。だから本サイトは、地震だけでなく火山までを一続きで見ます。

富士山の有史以降の噴火と大きな地震を並べた年表。1707年の宝永噴火を最後に318年間、噴火の記録が無いことを示す 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 富士山の噴火 1707 大きな地震 1923 大正関東地震 噴火の記録が無い318年
富士山の噴火と大きな地震の記録。1707年の宝永噴火から318年が経っています。
出典: 気象庁「富士山 有史以降の火山活動」、 地震調査研究推進本部「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版一部改訂)」(令和7年9月26日)、 同「相模トラフ沿いの地震活動の長期評価」、 内閣府 中央防災会議「1707 富士山宝永噴火」報告書

火山灰から、身と家を守る

吸わない、目に入れない、家に入れない。灰の対策とマスク・ゴーグルの選び方は、降灰の記事にまとめています。

富士山の降灰と備蓄日数を読む →

津波の情報

津波は、備蓄より先に逃げること

津波だけは、備蓄の話になりません。家が流されれば、何日分を積んでいても残らないからです。だから本サイトは、津波が想定される地域でも備蓄日数を増やしません。増やすべきは日数ではなく、逃げる速さです。

強い揺れを感じたら、警報を待たずに高い場所へ向かってください。荷物を取りに戻らないことが、生死を分けます。

そのうえで、置き場所が効いてきます。持ち出し袋は玄関など、逃げる動線の上に。2階や奥の部屋に置くと、取りに戻ることになります。家に残す備蓄は2階にも分けて。家が流されずに残れば、上階で過ごすことになるためです。

水害の情報

水害は、ただ一つ来る前に動ける災害です

地震や噴火と違い、大雨や台風は前もって分かります。避難の判断を早めるだけで結果が変わる、めずらしい災害です。暗くなってからや雨が強まってからの移動は危ないので、明るいうちに決めてください。

浸水した家では、備蓄は使えません。それでも本サイトが水害で日数を見込むのは、見ているのが「その家」ではなく「その周り」だからです。周囲が被災すると、断水・停電・道路の寸断が同時に起き、買い足しに行けない日が続きます。

水が引いても、生活はすぐ戻りません。令和元年東日本台風や平成30年7月豪雨では、断水が約2週間続いた地域がありました。基礎の3日に4日を足して、1週間を見込んでいます。